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続 舶来盲信の時代は去れり?の巻

アー楽しかった!アカダマで元気をつけてあしたもすべろ・・・。きょう1日の大活躍を夜ダンロそばで語りあうとき赤玉ポートワインをみんなでのみましょう。おいしい甘さ、すばらしい香りがスベリつかれコロビつかれをとり去り、あすへの元気をつくります。

前回の国産初のウイスキーの話に引き続き、今回は国産初のワインのお話。

寿屋(現サントリー)の創業者である鳥井信治郎氏は、国産初のウイスキーの製造販売に成功する前の1907年(明治40年)に日本発の国産ワインである「赤玉ポートワイン」を発売していたのでした。

1899年、20歳の鳥井信治郎氏は、様々な舶来品(現代用語では輸入品)を扱う鳥井商店という会社を設立。鳥井商店では、ワインもスペインなどから輸入していたが、まだ日本で馴染みがなかったため販売は苦戦。

そこで鳥井氏は、自ら試行錯誤しながらブレンドを繰り返して、大衆受けするワインを模索した結果、生まれたのが、この赤玉ポートワインだったというわけ。

風味を日本人向けにしたことにより、赤玉ポートワインは、当時のワイン市場の6割を制するほどの人気商品となり、次に続くウイスキー研究に必要な経済的な基盤を築くことができた。

だから、この赤玉ポートワインがなければ、ジャパニーズウイスキーはこの時代に生まれなかったんだよね。

広告媒体としての新聞 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2004shimbun/s_35.html

広告媒体としての新聞
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2004shimbun/s_35.html

発売当時の価格は1本(550ml)が38-39銭。米1升が10銭という時代の中で「赤玉」は米4升に相当する贅沢品であったという。(Suntoryのサイトより抜粋)

これって現在の感覚で言うといったいいくらぐらいなんだろう?

米1升ってのは、1.5kgのことだから4升で6kg
米5キロ(コシヒカリ級)は2500円くらいだとすると…
米4升は3000円。

現代の感覚で1本3000円のワインを家飲み用に買うのは…。

確かにちょっとな高級品かもしれなひ…。

そして、デフレが進んだ現代日本で、1本3000円級のワインが市場の6割を制するなんてことは絶対にあり得ないだろうな。

P1010011a

戦時下の新聞広告
http://www.ccn2.aitai.ne.jp/~bigdeer/sennjikoukoku.htm

さてさて、ワインは江戸時代よりも前に日本に入って来ていて、歴史的史実として残っている資料上で一番最初にワインを飲んだのは、織田信長と言われている。

しかーし、1899年に鳥井氏が外国からワインを輸入し始めたとしても、グローバル化に邁進した明治政府が出来てから30年では、まだまだ一般庶民の口には合わなかったのは非常に理解できるよね。

通常、赤ワインと言えば、渋みと香りのバランスを楽しむものだろうけれど、『渋み』を理解するのには時間がかかるもんね。子供の頃に、飲みなれていない(当たり前か・・・)ビールのあの苦い味は、絶対に好きになれなかったのと同じかも。

『日本人の味覚に合った葡萄酒をつくる』上での決め手が『甘み』であると気づいた鳥井氏は、やっぱり凄い。

50年前の新聞広告 http://portal.nifty.com/2008/05/22/a/3.htm

50年前の新聞広告
http://portal.nifty.com/2008/05/22/a/3.htm

そして、『甘み』と平行して、鳥井氏が着目したのは、『商品の安全性』と『体に良いという滋養』。

鳥井氏は、当時の帝国大学医学博士らなどの協力を得て、商品の安全性と滋養などの効能を謳っていたとのこと。さらに、商品広告用として、始めてヌードポスターを使った。

akadama

 

TVの情報番組で「○○は体に良いよ!」って言うと、その商品は売れ過ぎてスーパーマーケットの棚から消える現在の状況を考えると、100年以上経っても変わっていないんだね・・・日本人。

080823

大阪日日新聞
http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/naniwa/naniwa080823.html

 

赤玉ポートワインをどうやって作っているのかはもちろん企業秘密だから分からないけれど、少し調べてみると、当時の鳥井氏は、幾度となく甘味料の配合を重ねていたそうだ。

 

赤玉ポートワインの名前に使われている『ポートワイン』が何かを知らない方のために、少し説明してみる。

 

『ポートワイン』ってのは、ワインを作る途中にブランデーを添加して発酵を中断させ、糖分を残すことによって甘味を出しているポルトガルのワインのことなり。

 

ポートはポルトガルの港町ポルトの英語読みで、もともと『ポートワイン』とはポルト港から積み出されるポルトガル産ワインを意味していた。この点で、ポルトガル政府から抗議を受けたようで、1973年(昭和48年)に現在の名称である『赤玉スイートワイン』に改めたとのことなり。

 

さ て と…

 

あんまりアルコールが得意でない方は、甘口のお酒を求めることが多いようなんだけど、赤ワインは、そもそも、ぶどうの皮や種と一緒に発酵させるから、皮や種に含まれる渋味の成分のタンニンが含まれていて、実は甘口になりづらい性質を持っているのであーる。

 

日本で、なぜ甘口の赤ワインが望まれるのかが、実はワタクシには理解が出来なかったという過去があるのだけれど、この赤玉ポートワインの存在を知り、「なるほど!」と始めて理解できたのでありました。

 

通常、甘口が多いのは皮、種を取り除いた果汁だけで発酵させる白ワインの方が多いのである。

 

それはそうと、甘口の赤ワインと聞いて、頭に浮かぶのは、中部イタリアのエミリア・ロマーニャ州で作られているランブルスコっていう微発砲のワイン。

 

このランブルスコにも面白い話があって、1980年代のアメリカで甘口だからこそ爆発的に流行したことがあり、当時は「イタリアン・コーク」やら「レッド・コーク」という名前で呼ばれていた程の大ヒット商品となった。宅配ピザやフライドチキンと一緒に、コーラの代わりに飲まれていたそうな。

 

あまりにもヒットしてしまうと、品質が下がって行くのは、残念ながら洋の東西を問わず、世の必定のことで、とんでもないものもあったらしい。。。

コーラ代わりにガブガブ飲むワインに品質もヘッタクレもないもんね。

 

しかしながら、イタリア政府がDOC規定など法律を整備したりしてパチモンを成敗した結果、1990年代から品質が劇的に上がったというわけ。

 

甘口のお酒の話が出たから、どうやって甘口になるのかを素人のワタクシが素人でも分かるように説明すると・・・

 

本来、アルコールとは、原料の糖分が発酵してアルコールに変わることによってできるものであーる。

 

これが基本ね。

 

簡単に言えば、原料に含まれている糖分をガッツリ発酵させると辛口に、発酵を強制終了させて糖分を残すと甘口になるという仕組み。

 

そもそも糖分を多く含んでいる原材料から作る場合もあり。
例えば、ワインの場合は、生のブドウではなく、干してレーズンにした後にワインを作るっていう技法や、ブドウを凍らせて脱水して糖分を高める技法もあるのだ。これが、貴腐ワイン(前者)とかアイスヴァイン(後者)って呼ばれたりしている甘口ワインなのだ。

 

もちろん、甘い成分や甘みを持ったジュースを添加するパターンもあるぞ。

 

という訳で…

 

昔も今も、色々な場所で、色々な事情で作られた物が、色々な考えの元に販売されている。どれを選ぶかは消費者の思惑次第なんだけれど、できれば、「安い」ってだけが購入理由ってことが少なくなればいいなーって思う。

じゃなきゃ、作り手の努力が浮かばれないよな…。
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西園寺怜の試して欲しいお薦め品!

 

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サントリー (日本・赤ワイン)
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ランブルスコ・ディ・グラスパロッサ 
セミセコ NV
クエルチオーリ レッジアーノ 
ランブルスコ セッコ
カビッキオーリ
ランブルスコ ロッソ ディ・ソルバーラ
セッコ (赤ワイン/スパークリング・
イタリア)
メディチ クエルチオーリ
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